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【本の感想 #2】 「日本産コガネムシ上科図説 第1巻食糞群(普及版)」

今回読んだ本は日本産コガネムシ上科図説 第1巻食糞群(普及版)

  

本書の内容

 本書は同名の書籍(リンク先参照)をA5サイズにして内容をそのままに廉価版として出版されたものです。

 

書誌情報

発行:昆虫文献 六本脚

監修:コガネムシ研究会

ページ数:197

2008年9月1日発行

カラー版

編・著:川井信矢・堀 繁久・河原正和・稲垣政志

 

【感想】日本産の糞虫を知るために必要な1冊

糞虫に興味を持ち始め、自分でも探してみたものの、詳しい種類が知りたくなりました。
そんななか、インターネットで検索したところ本書を発見し、さっそく購入しました。
上記の通り、本書のオリジナルは2005年に出版されており、本書は内容がそのままに持ち運びの便利なサイズとなっています。
 
 
日本産広義食糞コガネムシ152種9亜種が掲載されており、その特徴、サイズ、分布や雌雄差、生息環境などが詳しく解説されています。
全編カラーなのでページを眺めているだけでも楽しいです。
 
 
個人的にありがたかったのは、検索表に書いている特徴が写真で図示されているところ。
昆虫の細かい部位に慣れてない自分にとって、これはひと目で特徴がわかるので同定の手助けになりました。
 
 
そして各種の実物大写真が示されているので、実際の大きさがイメージできるのが良いですね。
ふつうの図鑑では拡大されたかっこいい写真が並んでいるので、数字だけだと実物大のイメージが湧きにくいですが、これだと野外で探すときに大きさを意識できそうです。
 
 
また普及版ではもとの図鑑に掲載されてない種が記されてるほか、標本作成法やラベルの見本が追加されています。
カバンにも入るサイズなのでフィールドに持っていくこともできて便利そうです。
野外観察から標本の作製まで一通り学べる一冊かなと思います。
 
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