自然史の本棚

自然史系の本の感想、昆虫観察、博物館めぐりのブログ

【本の感想 #13】たくましくて美しい糞虫図鑑

今回紹介する本は

『たくましくて美しい糞虫図鑑』

 

 

 書誌情報

出版社:創元社

ページ数: 144 p.

2021年7月20日発行

 

著者:中村圭一

1964年大阪府生まれ奈良県育ち。NPO法人自然体験活動推進協議会 自然体験活動指導者(NFAL)資格保有NPO法人シニア自然大学校認定 自然観察アドバイザー。中小企業診断士。(本書著者略歴より抜粋)

  

本書の目次 

はじめに

第1章 糞虫ってどんな虫?

第2章 たくましくて美しい糞虫図鑑

第3章 糞虫館とフィールドワーク

あとがき

(本書目次より)

 

感想

 

本書は、奈良市にある「ならまち糞虫館」館長が執筆した糞虫の本。

奈良公園で見られる種類を中心に、糞虫類の魅力と生態が図鑑形式で語られています。

 

奈良公園は日本国内でも有数の糞虫がいる場所。

本書によれば、日本の糞虫である約160種のうち約40種も奈良公園にいるのだとか。

 

糞虫とはどんな虫?どんな姿をしてどこに住んでいるの?なぜ糞を食べるのか?

そんな糞虫に関する疑問がQ&Aで解説されています(第1章)。

 

第2章は日本の糞虫を中心とした糞虫図鑑の章。

掲載されている糞虫は実際に著者が奈良公園で撮影した生態の様子や、長年収集したコレクションで構成されています。

フンに群がる姿やフンに潜る姿は、その名の通り動物のフンと生きるそのままのイメージを映し出しています。

一方できれいな光沢を放つ種類を見ると、こんな虫がフンに群がるのかと意外性をもたらしてくれるのではないでしょうか。

 

第3章では著者と糞虫の出会いから「ならまち糞虫館」を開館するまでのお話がつづられています。

「好き」からはじまる博物館開館までの行動力がすごいなと思いました。

さらに季節ごとの奈良公園おすすめ糞虫観察ルートマップが紹介されています。

そして著者と同様、糞虫に魅せられた谷島さんという方との対談があり、お互いの糞虫談議に花を咲かせています。

 

筆者は奈良が好きで、以前、ならまち糞虫館にも伺ったことがあります。

(下記ブログ参照)

 

shizen-hondana.hatenablog.com

 

 

展示の感じは博物館然とした感じではなく、アートギャラリーのような内装で新鮮です。

まじかで展示を見ることができ、その時は生きた糞虫も飼育されていました。

 

奈良公園に出かけた際は、お寺や鹿を見て回るついでに足元のフンを見てみるのも良いかもしれません。

 

 

たくましくて美しい 糞虫図鑑

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